MajiでKoiする5秒前
MajiでKoiしちゃいそうな 約束の5秒前
この歌詞は何度聴いても秀逸。
女優やアイドルにほぼ関心がない(というか女性一般について関心が薄い)四十男の夫。そんな夫がティーンエイジャーの頃に唯一好きだったのが
広末涼子。
広末涼子といえば
私が中学1年のときにリリースされたこの曲を、ふざけた曲名だからという理由でなんとなく聴かずに今日まで生きて参りました。しかし夫婦で懐メロ特集を見ていると割と高頻度で登場するため、つい先日初めて通しで聴いてみたところ、
なんだなんだなんだ
めちゃくちゃ良い曲じゃん。
というわけで、ヘビロテしているレッチリ(こちらも最近初めて聴いてみた)に加えて『MajiでKoiする5秒前』もリピートして聴いている今日この頃。
そして冒頭で引用した歌詞について、聴くたびに素晴らしいなあと感嘆する今日この頃。
何が素晴らしいって、この2行にドラマがあるんですよ。
「私」が「約束の5分前」に着いている一方で「彼」はギリギリに来るわけです。
「ずっと前から彼のこと好き」で、「やっと来た」「チャンスを逃せない」私だもん、そりゃ遅刻できないよね。だけど準備に思いのほか時間がかかってしまった。きっといつもより早起きしていたと思う。余裕を持って支度できるように早めに目覚ましをセットしていたかもしれないし、楽しみな気持ちと緊張とで目覚ましより早く目が覚めてしまったかもしれない。もちろんメイクは妥協できない、なのにそんなときに限ってアイラインが左右対称に引けなかったりする。服だってその日までにどれがいいかなってたくさん悩んだ、だけど実際に着てみたらなんだかしっくりこない。そんなことをしていたら時間が足りなくなり、急ぐ「私」。待ち合わせ場所に「すべり込」んだのは約束の「5分前」になってしまった。(「5分前」なのに「すべり込んだ」という表現を用いているところから、この「私」が普段は時間に余裕を持って行動するきちんとした女の子だということが推測されます。)
で、「彼」は惚れられている側なので、殊更早めに着いているとかはないんだよね。
そして「彼」が登場。
「ずっと前から彼のこと好きだった」のに、この登場シーンで「MajiでKoiしちゃいそう」な「私」。
初めて一対一で会う日。「私」の方へ走ってきてくれる。そして遅れたわけでもないのに待たせたことに対して「ゴメン!」と爽やかに謝る。(早めに来てはいないけれど遅刻するわけでもない。このことから、「差をつけ」ないといけない「ライバル」がいるほどモテているけどそこで驕らず、時間を守るという人として大切なことができているしっかりした男の子だということが推測されます)。
自分の方が遅く着いたことに対する言い訳は一切なし。
そして「ゴメン!」と言いながら「笑いかけて」くれていると。
あーMajiでHore直すよこれは。
曲がここにさしかかると毎回、田舎の主婦は昔好きだった男を思い出します。
待ち合わせのときは大抵自分の方が先に着いていて。男はいつも小走りで「ゴメン!」と言ってその場に現れ、私は「遅い―!」と怒った顔を作ってはみるものの、会えたことがものすごく嬉しいのでその気持ちが隠せないという。
まあその男は毎回大幅に遅刻していたのですが。この「彼」とは違って。ぐぬぬ。
男の申し訳なさそうな顔と自分の嬉しそうな顔までもがリアルに思い出されるこのフレーズをサビに採用した竹内まりやさんのセンスに感服。
そして夫がきっかけで聴き始めた曲なのに夫以外の男を思い出していることについて懺悔。
続き。→https://butakosan.hatenablog.com/entry/2020/04/29/224957