どこまでも果てなく堕落の道を歩みたい二児の母のブログ

ああでもないこうでもないと考えたいろんなことをちょこちょこ記録します。

堕落の道

先日の記事で、自分がゾンビであったということを書きました。

butakosan.hatenablog.com

ひょっとすると、育児奮闘中の主婦=ゾンビであると受け取れないこともない表現だったかもしれません。そういうわけではなく、自分の頭で何かを考えることをしない状態・自分の心で何かを感じることをしない状態がゾンビであるという意味です。
したがって、サラリーマンゾンビもいれば、子どもゾンビもいると思っています。
ただ、育児をしている専業主婦は置かれた環境的にサラリーマンや子どもよりもゾンビ化しやすいということです。

どういうことかというと、まず専業主婦というのは、他人と関わる機会が多くありません。さらに小さい子どもがいると食事の準備・食事そのもの・外出の準備・外出そのもの・掃除・洗濯などすべてが慌ただしくバタバタしているうちに終わってゆき、気づけば「あ、今日一日子ども以外誰とも会話しなかったな」ということがよくあります。夫と話をしたいと思っても、仕事が忙しくて帰りが深夜になったり、あるいは疲れて帰ってきているのでくだらない話はしてくれるなというオーラを出されたり、夫も自分の時間がほしいのかスマホをいじりながら上の空で生返事をされたりします。(我が夫の名誉のために言いますと、彼はここまでひどくはありませんでした。一般的にこのような夫が少なくないらしいということです。)

他人と話をしないでいると、考えが偏り閉塞的になっていきます。やがて、ああだこうだ考えなくても家事育児は慣れである程度こなしていけることがわかり、自分でも自覚がないうちに考えることをやめています。

こうして文字通り家事育児に追われていると、自分の時間がほしいと強く思うようになりますが、自分を振り返るとその時間は趣味ではなく休養にあてられることの方が多かったように思います。趣味に時間をかけるというのは、心と体がある程度元気でなければできないことのようです。

長らく好きなことをしないといつしか感受性が鈍くなっていき、自分が一体何を好きだったのかもわからなくなってきます。わからなくなっていることすら、わからないうちに。

このような流れでゾンビが出来上がっていくのですが、もちろんこういった状況を苦痛に感じてゾンビとなるか、それとも特に苦痛には感じず楽しくやっていけるかというのは本人の性質次第だと思います。

ちなみに私の母は後者でした。だから自分も大丈夫だと信じたかったのですが、その考えは論理的でも何でもなく、他人と関わるのが大好きな自分には非常に耐え難い苦痛なのでした。

 

 

よく耳にする「親なら子どもが小さいうちは自分のことは我慢しなさい」という言葉は、ゾンビになって頑張る母をさらに追い詰めます。母は息抜きすら許されないのです。自分が何を好きだったのか、それを思い出せるかもしれないチャンスが潰れてゆきます。(我が夫や両親の名誉のために言いますと、彼らはこのようなセリフを私に言ったことはありません。)

 

ゾンビから復活したいと思ったのは、この言葉の意味を考えてみたことがひとつの契機だったかもしれません。

どうして子どもが大きくなったときも私が元気でいるのが前提なのだろう。

もし病気にでもなったら、「あの頃動けるうちに子どもを預けてオリジナル・ラブのライブに行っておけばよかった。」と思うんじゃないか。

別に病気になんてならなかったとしても、あの頃は子どものせいで自由を失ったなんて思いたくない。自分で納得して進んで自由を放棄したのならまだしも、自分以外の誰かの古臭い考え方でそうせざるをえなかったならきっと後悔するだろうし、何より、そのように思われる子どもがかわいそうだ、そう思いました。

 

ブログのタイトルは、オリジナル・ラブのある曲の歌詞をお借りしました。
タイトルに選んだ理由はその曲が好きだからというのはもちろんですが、それだけではありません。
上に書いたように、子どもが小さいのに母親が自分のために時間を使うことを非難する風潮はまだ残っていると思います(特に、子どもを預けて遊びに出かける場合など)。けれど、母親の心の安定なくして家族の心の安定はないと個人的には思っているので、母親の心の安定のために必要なら、たまには自分のために時間を使うことは大いに結構だというのが私の意見です。それを堕落した母親だという人もいるかもしれませんが、堕落上等。ゾンビでいるのではなくきちんと自分のために時間を使って、自分の頭で考え、自分の好きなことをしてそこからいろいろなことを感じたい。だから、堕落の道を歩みたい、という言葉を選びました。

 

私は欲張りなので、タイトル通り「どこまでも果てなく」とはいかなくとも、周りの協力を得られる範囲で最大限に堕落して心の安定を保っていこうと思います。32年間頑張ってきた自分自身のために、それから、大切な家族のために。

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