盆踊りは夏の終わり
今日は家の近くの公園で盆踊りが行われました。
今住んでいるのは生まれたときから18歳で家を出るまで暮らした家なので、この盆踊りにも小学生の頃から高校3年まで毎年必ず行っていました。この日は年に一度、浴衣を着せてもらえる日なのです。毎年それはそれは楽しみにしていたものです。
今年は夫、ゆきまる(娘・4歳)、息子(息子・1歳)そして私の4人で向かいました。
会場に近づくにつれ、北海道ローカル盆踊りソングである『子供盆おどり唄』が聞こえてきます。
北海道出身でかつてこの曲に合わせて踊ったことがある大人は、笛の音が奏でる♪ピョリロ~~という前奏を聴いただけで道産子のDNAが即座に反応し、踊りに興じた幼き日を思い出して血湧き肉躍ります。
実は、札幌を離れて再び戻ってくるまでの13年間、この曲とそれに合わせて踊られる『子ども盆踊り』は当然全国共通のものだと信じていました。まさか北海道ローカルのものだなんて思いもしなかったのです。
だいたい17時半頃から19時頃まで、この曲に合わせて子どもだけが踊ります。そして最後に踊っている子ども全員にお菓子が配られて(注・ここでお菓子を配ってくれる大人が「全員お菓子あたったかーい?」と尋ねます。これは「全員にお菓子が行き渡りましたか?」「全員お菓子をもらいましたか?」という意味です。「はずれ」はありません。)、それから大人の盆踊りが始まるのです。
会場である公園に着くと、地元の子どもたちが集まっています。小学生がメインでしょうか。男の子たちはちょっと粋がったりしているのですが、服装はまだ「お母さんがイオ◯やしまむ◯で買ってきたコーデ」で何とも言えずちょっとダサめなのが可愛らしいです。一方女の子たちは皆、浴衣を着ておめかししています。ちょっとお化粧している子もちらほら見られます。
そんな女の子たちを眺めて、かつて張り切って浴衣を着て来たけれど今は普段着で来ている自分の姿を見て、続いて浴衣ドレスを着てはしゃいでいるゆきまるに視線を移して、なんというか、
ああ、世代交代したんだなあと思いました。
結婚して子どももいる時点でとっくに世代交代しているので、今更何をという何とも妙な話なのですが。
ゆきまるは、自分の母が今の自分と同じように幼稚園児だった頃があるというのを今ひとつ理解していないようです。
私自身も確かに、「お母さん」という人は生まれたときから「お母さん」なのだと、「お母さん」としてこの世に誕生するのだと、そう思っていた時期がありました。
盆踊りを「ぼんどり」と言うゆきまるよ、信じられないかもしれないけれど、母にも今のゆきまるのように幼稚園児だった頃があるんだよ。
それから小学生になり中学生になり高校生になり、家を出て大学に進学し…と、青春時代を満喫してからゆきまる父と結婚したんだよ。
ゆきまるよ、信じられないかもしれないけれど、母は今日盆踊り会場でたこ焼きを頬張りながら、ゆきまる父ではない別の男性のことを思い出しているんだよ!
(注・小学校の頃、盆踊りで当時好きだった男の子に偶然会って嬉しかったのを思い出したのです。)
夏の終わりを告げるようなすこし冷たい風が吹いていました。帰り道はずっと、小学校時代のことを思い出していました。二度と会うこともないだろうけれど、あの男の子は今どこで何をしているのかな。そんなことを考えました。もちろん、夫とゆきまるには内緒で。
人に歴史ありですね。