どこまでも果てなく堕落の道を歩みたい二児の母のブログ

ああでもないこうでもないと考えたいろんなことをちょこちょこ記録します。

観に行けなかった映画の思い出

風邪をひきました。

それだけなら半年に一度くらいの頻度で起こるさほど珍しくもないことなのですが、やけに節々が痛いと思ったら39℃を超える熱が出ていました。久しぶりに味わう、寒気がして体がガタガタ震える感覚。もうとにかく不快でした!

 

そういえば数年前にインフルエンザに罹ったことがあり、そのときも高熱が出ておかしくなかったのですが、複数の特殊な条件が重なったため38℃台前半でおさまりました。

その条件というのが、

・発症前の潜伏期間中に親知らずを抜歯していた

・抜歯の方法が、大学病院で麻酔をして歯茎を切開&骨を削る&親知らずを砕いて取り出すというほぼ手術といえる大掛かりなものだった(歯が上を向いて生えてこず、90度前に倒れて生えてきていたため)

・そのため、抜歯後に痛み止めとしてロキソニンを服用し続けていた

というもので、本当は熱が上がっていたのにロキソニン=鎮痛解熱剤を規則的に服用し続けることで高熱にはならずにいつしか快復に向かった…という珍しい経過を辿ったようです。よかったのか、よくなかったのか。

ですが、今もし39℃を超す高熱親知らず抜歯後の痛みのどちらかを経験しなくてはいけないとすると…高熱を選びます。それくらい、親知らずを抜いた後は大変でした。この抜歯のときのエピソードはまた書きたいと思います。

親知らずめ…なぜちゃんと上を向いて生えてこなかったのだ。根性が曲がってるから歯の生える方向も曲がってるんじゃないのか!!(戦前並みのこじつけの精神論)

 

さて、今回熱を出してフラフラになったため、家族の食事の準備などのしなくてはならない家事をしているとき以外はひたすら眠っていました。

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そしてうとうとしている間に、はるか昔の子どもの頃にインフルエンザで高熱を出した日のことを思い出しました。

 

その日は前から映画を観に行くことになっていました。私はその映画というよりは映画を観に行くというイベントをそれはそれは楽しみにしていました。当時の映画館は上映中に飲食することにかなり寛容で、いつもデパ地下でサザエ(という道産子おなじみのお店)のおにぎりとザンギ(こちらも道産子おなじみの鶏の唐揚げ的な食べ物)を買っていき、それらをむしゃむしゃ食べながら映画を観ていました。映画を観に行くというのは非日常感いっぱいのわくわくする出来事だったのです。

しかし、よりによってそんな心躍るイベントの当日に、突然発熱してしまいました。

どうしてかは忘れましたが、自宅ではなくおばあちゃんの家にいました。おばあちゃんの家のリビングの床に布団を敷いて寝かされているのを憶えています。熱があるからもはやどうしようもないのに、「映画行きたい、楽しみにしてたのに!」と泣きました。おそらく母や祖母は「映画はまた今度にしよう」と慰めてくれたと思うのですが、それがまた悲しみを増幅させます。

なぜかというと、子どもって「今を生きている」んですよね。過去も未来もなく、「今」しかない。まさに今でしょ!(古。でも好きなんです…)。今できなかったら意味がない。今度するという想像ができない。だから、大人なら気分を切り替えるための必須ワードである「また今度」が通用しないのです。

あのときの自分もまさにそのような心境で、予定していたこの日に行けなくなったことが悲しくて悔しくて涙が止まりませんでした。

 

そんなことを布団の中で思い出したので、体調が回復してから娘に「折り紙しよう」と言われたときにはすぐに隣に行きました。いつもはつい「ちょっと待ってね」「後でね」と言ってしまいがちなのですが、せっかく昔の悲しい出来事を思い出したので、これを憶えている間だけでもできるだけ子どもの望む「今」を大切にしてみようと思います。

 

ちなみに、インフルエンザで観に行けなかった映画は平成狸合戦ぽんぽこ』。

ストーリーは忘れてしまいましたが面白い映画だったことは記憶しています。今度観てみよう。