イントネーションの話
学生時代の悪友が我が家に遊びに来てくれました。以前のブログにも書いた『防弾女』こと河田(仮名)という人物です。
河田とは大学1年のときに出会いました。出会ってすぐに「この人とは気が合いそうだ」と思ったのを憶えています。そして、1年生の夏から3年生の初期の頃まではほぼ毎日メールするか顔を合わせるかしていました。
当時はふたりとも、午前中の講義を受ける→大学を後にして電車で移動→お昼を食べてからカラオケに行きフリータイムで6時間歌いまくる→夕飯を食べて解散、というパターンが好きだったので、多いときで週に3回はこの遊び方をしていました。あるいは、どこかで待ち合わせ→洋服を買う→プリクラを撮る→スタバでフラペチーノを飲む→夕飯を食べて解散、というパターンです。
通っていた大学は山奥にありナチュラル系の服装の学生が多かったのですが(特に私達の所属していた学部は服装に頓着しない学生が一番多かったような印象です)、そんな中で河田と私は浮いていました。簡単に言うと、ケバかったのです。ガングロではありませんがギャルみたいな格好だったのです。
ふたりで終電に乗って六本木に出ていき、当時既に流行っていなかったマハラジャのお立ち台で踊ってみました。横浜で夜中に開催されたライブに行ったもののたいして面白くなかったのでさっさと出て、ふたりでバカな話をしながら丑三つ時のみなとみらいを歩きました。河田が当時付き合っていた男の人のことで問題が発生したときには、深夜のファミレスでコーヒーゼリー(カロリーを気にしてパフェは選ばない)を食べながら話を聞きました。好きな人がコロコロ変わる私のしょうもない片想い話を、河田はいつも嫌な顔ひとつせず楽しそうに聞いてくれました。
今振り返るとただただ若かったなあ…と思ってしまうような思い出はだいたい河田と一緒に作ったものでした。
当時の手帳のプリクラのページを眺めると、一番多いのは河田とふたりで写っているものでした。
そんな苦楽を共にした河田がうちに泊まりに来たのです。
会ってすぐに来週に迫ったライブの話をしました。
私「来週さあ、ぐふふ、ライブなんだよねー!!」
河田「おー、たじまん?」
私「そーそー。」
河田「あれ?たじまんのライブって夏に行ってなかった?」
私「夏はねバンドツアー。んで今度のはたじまんひとりだけ。」
河田「そーなんや!楽しみやな!整理番号めっちゃ前の方やんな?たじまんめっちゃ近くで見れるんちゃうん?」
私「…あのささっきから気になってるんだけど、たじまんじゃなくて、たじまん!」
河田「へ?たじまんやろ?」
私「違うし、たじまん!!」
河田は大阪人です。
彼女とのLINEで何度もたじまんの話は出ていたのですが、私はずっと「たじまん」を「肉まん」と同じイントネーションで発音していました(低ー高ー高ー高、というイメージです)。しかしこの日、彼女がそのイントネーションではなく「佐賀県」と同じイントネーションで発音していることに初めて気づきました(低ー高ー中ー低、というイメージです)。
いやいやたじまんじゃなくてたじまん。
…けれどもしかしたら、河田と同じイントネーションでブログやTwitterを読んでいた方がいらっしゃるかもしれません。
あるいは、河田のでも私のでもない第三のイントネーションの方もいるかもしれません。たとえば「アラジン」と同じ感じとか。
河田がいた2日間で幾度となく「たじまん」「たじまん」と声に出したこの勢いのまま、ひとりソウル後で行う予定の飲み会『たじまんナイト』のお店探しをしようと思います。
あと6日でひとりソウルです!