ドラクエの思い出
今日は「ドラクエの日」らしいです。1986年の今日、初代『ドラゴンクエスト』が発売されたことからそう呼ばれているとのこと。私もドラクエにはいろいろな思い出があります。
小学校の同級生たちがスーパーファミコンでドラクエやスーパーマリオに興じている頃、我が家には家庭用ゲーム機がありませんでした。理由は、父が「ゲームをやるとバカになる。」という思想の持ち主だったためです。いかにも前時代的な考え方ですが、本当にそう言っていたのです。
ですが、ある日とうとう我が家にもスーファミがやってきました。そして一瞬で父が陥落します。あんなに反対していたのにねぇ…という家族の視線が痛かったのか、「君子豹変す!!」と開き直ることは忘れませんでした。
父がハマったのは、スーファミ本体と一緒に買ったドラクエⅠ・Ⅱ。その後20年以上にわたって父の趣味となるゲームに出会った瞬間でした。
ドラクエのシステムを簡単に説明しますと、ゲームの中で「武器」や「防具」を手に入れることができるのですが、それらは「装備」して初めて意味があるものです。
ゲームが始まったときには何の武器も防具も装備しておらず丸腰なのですが、お金を貯めると「どうのつるぎ」「かわのたて」「かわのよろい」などといった戦闘にふさわしい武器・防具を買えるようになります。
敵を倒すとお金が貯まる&レベルが上がる→貯めたお金で強い武器・防具を買う→戦闘が楽になる→先へ進むとさらに強い敵が出てくるようになる→さらに強い武器・防具を買うために敵を倒してお金を貯める&レベルも上がる→貯めたお金でさらに強い武器・防具を買う→戦闘が楽になる…この繰り返しです。
「取扱説明書は読まない!からだで覚える!」という主義の父は、この最も重要で一番の基本ともいえるシステムを理解していませんでした。と言うよりむしろ知りませんでした。
ドラクエⅠを始めて一番最初にしなくてはいけないこと、その正解は「丸腰の状態で何回か戦闘に勝ち、お金がすこし貯まったらお城へ戻る。そしてとりあえず最低限の武器と防具を買って装備する」です。そうすることで戦闘が楽になり、たくさん敵を倒すことでレベルも上がるので先へ進むことができるというわけです。
ですが父は何を思ったのか、武器や防具には目もくれず、本来真っ暗な洞窟を明るくするための道具である「たいまつ」をたくさん購入していました。
(参考画像:たいまつ)
そして戦闘が始まるや否や、即座に使っていました。たいまつを使う=たいまつに火をつけて、それを火炎瓶を投げつける要領で敵に投げつけて火によってダメージを与える、そういう戦い方をするものだと解釈していたようなのです。
「ひろおうはたいまつをつかった!しかしなにもおこらなかった!」(※ひろおうというのは父が主人公につけた名前です。)
たいまつを使っても敵にダメージは与えられないのですぐに使うのを止めれば良いのですが、「投げたけれどうまく当たらなかった」と理解した父は、敵にたいまつが当たってダメージを与えられるまでいくつも使い続けました。永久に当たることなんてないのに。
そして、最弱の敵キャラであるスライムに何度も倒されていたのです。
(左:現実の戦闘 右:父のイメージした戦闘 )
「おいなんだよ、どうして全然進めないんだ。」
こんなに頭を使っているのにスタート地点であるお城からまったく進めません。何という難しいゲームなのだろう。
そこで調べてみて初めて、先に書いたようなシステムを認識したのです。
ドラクエの楽しみ方を理解してからの父の快進撃は素晴らしいものでした。
入手したドラクエⅠ・Ⅱや追加で購入したドラクエⅤを早々にクリアしてしまい、最新作のドラクエⅥも予約して購入。新作ソフトが出ると2週間程度で発売される簡易な内容の攻略本があるのですが、それが店頭に並ぶよりも早く父がクリアしてしまっているため、私の同級生の男子は進めなくなると攻略本を待つのではなく「ぶた子の父さんに聞いてみるべ!」と言い出す始末でした。
あの頃、クリアするまで毎日熱心にドラクエをしている父の横で一緒に画面を眺めているのがとても好きでした。
すっかりドラクエおやじと化した父。還暦を過ぎた今でもドラクエの最新作をプレイしています。
父のボケ防止のためにも、ドラクエシリーズの新作がどんどん発表されることを期待しています!!
オリジナル・ラブのライブ@札幌まで
あと 36 日!
●ツイッターをはじめました。